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思い出に花を添えて

　
　【登場人物】
　・雪代琴音：大学２年（19歳）、真面目、芯が強い、中学に上がるタイミングで引っ越した
　・黒部律：大学２年（20歳）、同窓会幹事、ムードメーカー、ノリがいい
　・柏木陽奈子：大学２年（20歳）、社交的、愛想がいい
　・蒼井凪咲：短大生（20歳）、就活中、ノリが軽い、ビビり
　・武藤颯真：専門学生（19歳）、ゲーム系、やんちゃ、素直、琴音の元カレ
　・櫻庭唯斗：大学１年（20歳）、優秀、浪人した、冷静、医者になることが夢
　・清水愛実：小学校教諭、38歳
　
　【声のみ】
　・望月詩穂：人見知り、人間不信、中２の夏に自殺した、クラスでのいじめがきっかけで適応障害になり不登校になった
　・バスの運転手
　
　【場所】
　バスの中→居酒屋（座敷）or宴会場→墓地
　
　【時】
　９月中旬
　
　【シチュエーション】
　小学校時代の同窓会
　
　【本編】
　
　１
　８年前の３月某日。全校生徒数が50人にも満たない七ノ瀬小学校で7人の卒業生を送り出す卒業式が行われた。最後のホームルームにて。
　
　愛実　　思い返せばこの一年間は本当にいろいろなことがありましたね。授業中の質問や意見が活発にでてくるほど皆授業に真剣に取り組んでいたり、休み時間になると他の学年の子たちを誘っていっしょに遊んだりしていた姿がとても印象的でした。たまに仲たがいすることもあったけど、持ち前の団結力で最終的にはちゃんと仲直りできるというのが皆の良さです。今日までの６年間皆は教室と言う名の社会で７人だけで学校生活を送ってきました。ですが中学生になると人間関係や環境が一気に変わります。新たな悩みに直面することもあるでしょう。そんな時は小学校生活で育んだ７人の絆を思い出してください。どんな時でもみんなで助け合えばきっと乗り越えられます。そして素敵な大人になって二十歳の同窓会で再開しましょう。また会える日を楽しみにしています。
　
　琴音（N）　離れていてもずっと友達だよ。
　
　詩穂（N）　絶対に手紙書くね。
　
　琴音（N）　約束だよ。
　
　詩穂（N）　うん、約束！
　
　詩穂（N）　…辛い、辛いよ。助けて、琴音ちゃん…。
　
　２
　バスに乗っていた琴音目が覚める。
　寝ている間ずっと手に持っていた２つの封筒に目を移す。
　
　アナウンス　次は青葉ヶ丘、青葉ヶ丘。
　
　琴音停車ボタンを押す。
　
　アナウンス　次止まります。お降りのお客様はお忘れ物をなさいませんようお気を付けください。
　
　暗転
　バスの椅子をはけて宴会場になる。
　律、陽奈子、凪咲、颯真、唯斗は既に会場にいる。
　明転
　琴音遅れて店に到着する。
　
　律　　　琴音だ！
　
　陽奈子　琴音！こっちだよー！

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